
「ひとりの商人、無数の使命」
商いの先に広がる豊かさを提供する。
現状に満足することなく
私が 2010 年度に社長に就任した頃、商社は資源ブームに沸いていましたが、伊藤忠商事は比較的投資に慎重な姿勢を取っていたと言えるでしょう。そこで私は社風をギアチェンジさせ、攻めへの転換を図りました。誤解されると困るのですが、ただ時流に乗って資源市場を目指したのではありません。伊藤忠商事の真の強みである生活消費関連分野を経営の軸に置くと共に、社内の仕組みを根本から見直したのです。
具体的には、「現場力強化」を徹底する為に営業職が自由に活動できる環境を整えました。分かりやすい事例が、会議や書類の徹底した削減です。自戒を込めて言えば、経営者は先行き不安を会議で紛らわそうとします。これは現場にとって負荷になるため、私が率先して改善してきました。もう一つは、報酬という面でも頑張った社員にきちんと報いるため制度を改定し、2013 年度平均年間給与は 1,384 万円 (第 90 期有価証券報告書より) となり、商社トップの給与水準を実現しました。頑張った社員はきちんと評価される。それが社員のモチベーション喚起、すなわち会社の成長にも繋がると私は考えています。
「ひとりの商人、無数の使命」
企業として成長ステージにある今、社員一人ひとりの使命と決意を現すために、2014 年 6 月に伊藤忠商事は「ひとりの商人、無数の使命」というコーポレートメッセージを定めました。伊藤忠商事は 2011 年度以降、総合商社御三家の一角を占めるなど、社会に対する存在感は従前に比べて高まってきております。但し、今後も更に上位を目指していく上において、収益のみにこだわったひとりよがりの考え方では、世間は評価してくれず、必ずどこかで立ち行かなくなってしまいます。商売とは、それを欲しいと思う相手がいて初めて成り立つものであり、つまり、全ての商売は必ず誰かに豊かさを提供しています。刻々と移り変わる顧客や社会のニーズに応え、周りに豊かさを提供し続けることができなければ、伊藤忠商事の成長はありません。今一度原点に戻り、伊藤忠商事は社会に対して豊かさを提供する「使命」を担い、今後も更なる成長を目指します。
※ 伊藤忠商事コーポレートメッセージは第 63 回日経広告賞大賞受賞
最後に学生の皆さんへ
自分は商社でやっていけるのか、世界で活躍できるのかと不安を感じている方もいるかもしれません。社長である私自身も入社後しばらくの間は自分が商社に向いていないのではないかと何度も思ったことが有りました。心配することはありません。伊藤忠商事では研修や留学など皆さんの可能性を最大限伸ばすプログラムを用意しています。新入社員には指導社員が必ず付き、皆さんの成長を手助けしてくれます。更に、100 種類以上あるキャリア・ビジョン支援研修の中から、自分のニーズに合ったものを受講することで、スキルアップを目指すことが出来ます。入社 4 年目までに全総合職を非英語圏の海外に派遣する制度を他社に先駆けて導入しました。事務職の海外派遣制度もその一端を担っています。こうした制度を通じて、皆さんを世界に通用する人材に育てています。伊藤忠商事には意志と意欲を持つ人が必ず成長できる環境があります。皆さんの今ではなく、これからに期待しているのです。どこよりも早く、大きな仕事ができる伊藤忠商事で是非一緒に業界トップを実現させましょう。
代表取締役社長
