[ 指導社員×新人社員 ]
強い商人へと育てる
伊藤忠の教育制度
工藤直樹×青木寿興

伊藤忠では、1 年間におよぶ指導社員制度を採用。社会人の基礎から、伊藤忠の DNA までを丁寧にレクチャーしている。今回は指導社員の工藤と、新入社員の青木から、これまでの軌跡と成長を振り返ってもらった。
TALK THEME 01
~第一印象~

- 青木
- 工藤さんに初めてお会いしたのは入社式の後でしたね。
- 工藤
- 4 月 1 日にうちの部署に挨拶に来たよね。会ってみてどうだった?
- 青木
- 工藤さんの第一印象は「爽やかイケメン」でした。こんなイケメンの隣で仕事するのかと複雑な気持ちになりました。(笑) 工藤さんはどうでしたか?
- 工藤
- 僕は事前に「4 月からサンバ野郎が入ってくる」って聞かされていたから、「色黒でドレッドヘアーの新人だったらどうしよう」と思っていた。いざ会ってみると色白の日本人で安心した。(笑)
- 青木
- 変な噂が広まっていたみたいで入社直後は色々言われて大変でした。学生時代にサンバを始めましたけど、普通の日本人ですよ。(笑)
- 工藤
- 青木がうちの課で働き始めたのは新人研修後の 5 月だったかな?
- 青木
- そうですね。最初の 1 ヶ月の新人研修で社会人の常識やマナーについて叩き込まれたんですけど、いざ課に配属されてみると、想像していた厳しさとは違うというか、皆さん明るくて驚きました。
- 工藤
- 課には気さくな人が多いよね。課長はブラジル生まれブラジル育ちだしね。(笑)
- 青木
- まさにラテン系のノリですね。
TALK THEME 02
~指導方法~

- 青木
- 配属初日に工藤さんと初めての打ち合わせをしましたね。これから自分も課の業務を担当していくんだと、気が引き締まりました。
- 工藤
- 業務目標を 2 人で作ったね。ただ、業務ももちろんだけど、実は課全体の意見としてはどちらかというと“人間的な成長”の方に重点を置いていたんだよね。
- 青木
- そうなんですか?そのことはあまり強調されていませんでしたよね?
- 工藤
- 敢えてそこは言わないようにした。業務を通じて感じて欲しい、という意図があって。業務は絶対にこなせるようになると思っていたけど、業務に対する姿勢を含めた人間性は長い時間をかけて磨く必要があり、特に最初が肝心、と考えていた。
- 青木
- 振り返ってみると「ウソをつかない」「ごまかさない」というところは、工藤さんによく注意されましたね。
- 工藤
- 周りの優秀な諸先輩方を見ていると皆さん自分なりの哲学や軸を持っているんだけど、「誠実である事」は皆に共通している。青木には諸先輩方を見つつ、この辺の人間力を磨いてもらいたいなって。
- 青木
- 少しでも自分をよく見せたいとつい思ってしまいますが、工藤さんにはいつも見透かされている気がします。
- 工藤
- 最初の頃は「あれやった?」って聞いたら、やってないのに「やりました」とか「やっています」って言うことも多かったよね。その点自分を見ているようだった。(笑)
- 青木
- そうしたら「本当?」と突っ込まれて、「すみません。今やります」って。
- 工藤
- あのころに比べると、今はだいぶ素直になったね。
TALK THEME 03
~成長~

- 工藤
- どう? 1 年目ももうすぐ終わろうとしているけど。
- 青木
- 最初のうちは工藤さんの言っている内容を理解できないこともありましたが、今は同じレベルで業務の話をできることも増えてきて、少しずつですが成長を実感しています。
- 工藤
- 「どうすればいいですか?」って考えなしに質問することもなくなったよね。自分で社内の詳しい人をつかまえたり、経理に電話したり、自発的に行動するようになった。
- 青木
- 工藤さんに「課の潤滑油になれ」と言われてから自分から動くことが増えましたね。
- 工藤
- 課内のコミュニケーションを増やすためにイベントの取りまとめもやっていたよね。
- 青木
- ボディメイキング選手権 (※) ですか。(笑)
※ 各々目標の体重・体脂肪率を設定し、それに向けて努力し、結果を競い合う。
- 工藤
- そうそう、上手く仕切っているので嬉しかった。ああいう業務外の事が課の結束を強めたりするからね。確かあの時青木は本気でダイエットして 8 キロ痩せたよね。
- 青木
- はい、でもそのあと 7 キロ太りました。(笑) 工藤さんも当時マッチョなイケメンになってましたけど、少し戻りましたよね?
- 工藤
- 筋トレして 7 キロ増やしたけど、6 キロ戻った。(笑) 青木にとってあのイベントを仕切ったのはいい勉強になったんじゃない?
- 青木
- タイムリーに皆さんの体重と体脂肪率を管理して逐一結果を報告したり、なかなか計測にいってくれない先輩に対する催促の仕方を工夫したり、業務にも活きることがあったと思います。あのイベント後、先輩方の懐にも飛び込みやすくなりました。
- 工藤
- これは課内の話だけど、人と付き合うという点では社内も社外も同じ。ここで人間関係の築き方を学べば、今後の財産になると思うよ。
TALK THEME 04
~2 年目に向けて~
- 青木
- 僕の 2 年目の目標は、今の工藤さんのレベルに追いつくことです。工藤さんは課の先輩方から厚い信頼を得ているので、自分も早く工藤さんのような「頼られる社員」になりたいなと。
- 工藤
- 嬉しいこと言うな。(笑)
- 青木
- 工藤さんはどんな 2 年目を過ごすべきだと思いますか?
- 工藤
- 業務の面はもちろんだけど、やっぱり青木には“みんなに愛される 2 年目”になってもらいたいな。自分に興味を持ってもらえる輪を広げてほしい。
- 青木
- ありがとうございます。後輩ができたら、工藤さんのように指導したいと思っています。
- 工藤
- 例えば?
- 青木
- 工藤さんには一度も理不尽に怒られたことがないので、自分もそうしたいですね。
- 工藤
- ああ、それは意識してやっていた。怒るにしてもただ怒るだけでは意味がないので、冷静にポイントを伝えるよう気を付けていた。必死に堪える時もあった。(笑)
- 青木
- 遅刻のときですか。
- 工藤
- 次遅刻したらアウトだからなって言ったら、その翌日に遅刻した。衝撃を受けた。
- 青木
- あの時は本当にすみませんでした。
- 工藤
- 「今日はガツンと言おう」と思って自分なりに怒り方を考えていたら、泣きそうな顔してたから思わず「昼メシ、いくか?」と誘ってしまった。(笑)
- 青木
- これでさらに泣きそうになりました。(笑)
- 工藤
- 紆余曲折あったけど、このような「教育」を通じて伊藤忠の DNA は受け継がれていくと思うので、青木には自分が感じた事を是非後輩にも伝えていって欲しい。業務、業務外問わず今後も繋がりがあると思うけど、末永く宜しく。
- 青木
- こちらこそ末永く宜しくお願いします。
